機械男マックス・バリー


生身の身体より機械を愛してしまった男。

会社の研究室に勤める研究者の物語。

ある時、職場での事故がきっかけで片足を失ってしまう。

そして義足をつけたのがそもそものきっかけ。

彼は、こんなに科学が進歩しているのになぜ世の中にははこんな義足しかないんだ、と憤りを覚え、自ら義足を作成してしまう。
それはもはや義足という域をはるかに超えていて、モーターの付いた自走式のもの。

彼の科学者としての探究心はそこでは止まらない。

片足だけ優秀でも仕方がないじゃないか、ともう一本の生身の脚も機械かするべく切断してし、やがて手も・・・・。

主人公のこの一連の探究心が、今度は会社の闘志に火をつけてしまう。

彼のプロジェクトに参画させるべく人員を増やし、予算を増やし・・・。

やがては・・・・。

似たような話はアメリカ映画にはいくつかある。

「ロボコップ」などは本人の意に反して、「アイアンマン」などは自らの意思で・・。

だがどれともちょっと異質なのは、この主人公の性格だろうか。

自ら作るものが生身の身体よりも優れたものだと疑わない。
自らの身体を削ってでも機械化する方を選ぶ。

彼の最終到達地点はなんだったのだろう。

最終到達地点は生無き生なのでは無かっただろうか。

機械男 マックス・バリー 著(Max Barry)  鈴木 恵 (訳)