Good Luck


グッドラック  アレックス・ロビラ & フェルナンド・トリアス・デ・ペス著

少年時代に親友だった二人が54年の歳月を経て再会する。
一人は無一文から会社を起し順調に大きくして来た成功者。
もう一人は祖父・父が順調に大きくした会社を引き継いだものの同業他社との競争に勝てず、業績を悪くさせるばかりか、破産までしてしまう失敗者。
失敗者が成功者に言う。
「僕も君みたいに運さえあったらなあ・・・」
そこで成功者がある物語を話して聞かせる、というお話。

「運は呼び込む事も引き留める事もできない。
 幸運は、自らの手で作り出せば、永遠に尽きることはない」

そのお話というのが、おとぎ話なのです。

「幸運が訪れないからには、訪れないだけの理由がある。
 幸運をつかむためには、自ら下ごしらえをする必要がある」

「幸運を作るというのは、チャンスに備えて下ごしらえをしておくこと。
 だが、チャンスを得るには、運も偶然もない。
 それはいつでもそこにあるのだから」

おとぎ話が訴えたいことは、
いろんなビジネス本でも語られていたり、案外宗教本にも語られているかもしれない。
中には言葉を変えて会社の標語になっていたりもするでしょう。
それがおとぎ話だけに非常に新鮮でシンプルなのでしょう。
素直に頭に入ってきますし、心に何かが残ります。

いくつものキーワードと共に。

「欲するばかりでは幸運は手に入らない。
 幸運を呼びこむひとつのガギは人に手をさしのべられる広い心」

「下ごしらえを先延ばしにしてしまえば、幸運は絶対に訪れてはくれない。
 どんなに大変でも、今日できることは今日してしまうこと」
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この本を読んで何かを感じた人、感じなかった人、人それぞれですから、それぞれの読み方があってしかるべきで、感じない人が可哀想だなどとは露ほどにも思いません。
ですが、何でも斜に構えて読んでしまうよりは、素直に受け入れる心も寛容なのでしょうね。

私は何の予備知識も無しで読んだのですが、出版後わずかの間に世界のベストセラーの仲間入りをしたそうな。
それだけ、何かを感じた人が多かったと言う事なのでしょう。

Good Luck  アレックス・ロビラ (著) フェルナンド・トリアス・デ・ペス (著) 田内 志文 (翻訳)