マイルド生活スーパーライト 


なんともなぁって感じだね。
文芸賞を受賞ってどこかに書いてあったのだが、どうやらその受賞作というのは前作らしい。受賞後第一作がこの本というわけ。

まったくもって なんともなぁ、なのだ。

主人公として登場するのはダメダメ君。

彼女から「あなたとの未来が見えない」と言われてふられるのだが、本人は意味がわからない。

彼女とメシを食いに行ってもオーダーも決められない。
だから彼女が決めると、その注文に文句をつける。

デートの行き先も決められない。
じゃぁ、とばかりに彼女が決めるとそれに文句をつける。

そんなこんながたったの1年で積もりに積もってとうとう彼女がぶっちぎれて「あなたとの未来が見えない」ということに至ったわけなのだが、その理由を教えてもらってもまだなお、その理由を理解できない。

本当にダメダメ君なのだが、さてどうだろう。
見渡してみるとそんなダメダメ君てそこらじゅうにいそうじゃないか。

その逆のタイプの方が稀有なぐらいに、今やこの手の決められないダメダメ君は主流派なんじゃないのか。
なんと言っても、一国の総理がその筆頭なんだから。

このダメダメ君をふった彼女に一言。
そんなことで男をふっていたら、おそらくキリがないんじゃないの。

そこは、母性本能とやらでダメダメ君を包み込んでリードしてあげるぐらいの気持ちが無ければ、日本の少子化はとまらないんじゃないの。

現在の立ち位置すら見えているのかどうかが怪しいんだから、未来なんて見えるわけないじゃない。

そんな理由でダメダメ君をよりダメダメ君にしても仕方ないと思うなぁ。
ダメダメ君をこき使うぐらいじゃなけりゃ。
あなたもまた未来の見えない女性になってしまいますよ。

マイルド生活スーパーライト 丹下健太 著(河出書房新社)