屍人荘の殺人今村昌弘著
このタイトルなんともなぁ。
本屋で手に取って買いたい気持ちになかなかならないと思いますよ。
このタイトルの本にしてはかなり軽快なピッチであっという間に読み進めてしまった。
山のペンションへ夏合宿で泊りに行く大学の映画研究部のサークル。
そこへなんとか潜り込もうとする探偵ごっこの大学非公認サークルの二人。
一人の美形女子のあっせんでなんとか同行に成功する。そしてそのあっせんしてくれた彼女もまた探偵だった。
しかもかなり本格的な。
そのペンション近くで開催されていたロックフェスでのウィルステロ。
感染した人間はなんとゾンビになる。
まさにバイオハザードそのものだ。
こっちのゾンビはバイオハザードのゾンビみたいなスピード感がなく、ごくゆっくりとしか動けない。
こちらのゾンビの方が論理的なのかもしれない。
心臓は止まっているのだろうし、血液も循環していない。
感染していない生物の方角にだけ動こうとする本能だけで動いている。
素早く動く筋力などあるわけがない。
なかなかゾンビについての雑学を教えてくれたりする。
こお地球上にはゾンビ化するアリが存在するらしい。
ならば人体で起こす事も実験しだいでは可能だったりして。
そのゾンビに囲まれたペンションの中で起きる殺人事件。
どう見てもゾンビに食いちぎられたとしか思えない死体なのだが、ペンションの守りは固くバリケードを築いて、ゾンビの侵入を阻んでいるはず。
そしてどう見ても内部の人間が犯人としか思えないメッセージの紙片。
探偵ごっこの方の探偵さんもそうそうにゾンビに喰われてしまうし、なかなか展開が面白い。
惜しむらくはやはりタイトルだろうか。