まほろ駅前番外地三浦しをん著
まほろ駅前多田便利軒の続編。
まほろ駅前多田便利軒について、簡単にふれておくと、
多田というクソ真面目な男が経営する便利屋。
そこに転がり込んで来た高校時代の同級生の行天。
普段は何もせず、多田一人に働かせて居候を決め込んでいるような格好の行天。
何もしていないようで、いきなり突飛で、意表をついたような行動を取ったかと思うとそれが功を奏して問題が解決する。
概ねそんなかたちの問題解決ストーリーが展開される、
今回の番外地は多田も行天もどちらかというと脇役。
前作で脇役だった人たちが今度は主人公と言ったところか。
星良一の優雅な日常はなかなかに興味深い。
覚醒剤を密売する不良高校生を徹底的に痛めつけるかと思えば自分のマンションに転がり込んで来た女子高生に対する純な愛情はもはや高校生未満なのだ。
このギャップなんともいい
この章では、ほとんど多田も行天も登場しない。
思い出の銀幕は曽根田のばあちゃんの昔の恋愛物語。
行天をかつての恋人役にして語られる戦後のドタバタ時代のばあちゃんの恋愛話。
なんともほろ苦いは、ばあちゃんの名言がたくさんでて来る。
この本、既に映像化までされているのであまり深く記すこともないが、まほろ駅前多田便利軒を既読の方にはなかなか楽しめる番外編だろう。