ビヨンド・エジソン
12人の博士が見つめる未来
取り立てて有名な人が出て来るわけではない。
それでもその道ではおそらく知らない人はいないほどに道を極めた人達。
アフリカの睡眠病という奇病に挑み続ける博士。
若い頃から恐竜好きで恐竜の学問が出来るなら海外だろうがどこへだろうが、飛んで行くような女性恐竜博士。
乾燥地で植物生産の向上を目指す農業気象学者。
言葉の不思議を探究する音声工学者。
・・・と12人のまだまだこれから活躍するであろう年代の博士が登場する。
第一章の寄生虫学者は幼い頃、シュバイツアーの伝記を読んでシュバイツアーに憧れたという。
この本は全てドキュメンタリーであるが、ある一面12人の短い伝記と言ってもいいだろう。
彼らに共通するのは、国境や言語の違いなど全く厭わない、そんなことはまさに小さな問題だとばかりに世界の各地へ飛び立って行くフットワークの軽さ。
国境や言語の壁などよりもはるかに探究心が勝っている。
ビヨンド・エジソン。確かにその世界ではエジソン超えている。
皆、若い頃に良き師と呼べる人に巡り合い、そこでは満足出来ずに自身の研究を続け、師を超える、もしくは師とは少し違う方向において師と並び立つ存在になっている。
ここに出て来る人達を知っているか、と聞かれたら100人中99人は知らないかもしれない。
それでも彼らの研究は地球に爪痕を残すに十二分のものだろう。
こび本の出版にあたっては、筆者から取材を受けたことであろう。
その取材の結果が、このような本となり、自身で読んでみた感想はいかがなものなのだろう。
くすぐったく思った人もいるかもしれない。
それでもこうして本になってささやかながらも若者に夢を与える側に立ったのだ。
この本の出版がこの先生方のさらなる励みに繋がって行けば、喜ばしいことである。