L 詐欺師フラットランドのおそらくは華麗なる伝説
このタイトルの先頭の「L」って結局なんだったんだ?
世界中の迷宮入り事件を次々と解決したあのまぼろしの世界一の探偵「L」をもじったものなのかと思いきや、全く関係無く、ってそんな他の著作品の名前を借りてタイトルにつけるなんてわけないか。
とうに他界した明治時代の文豪作品をもじるならともかくも、そうそうあるもんじゃないよな。
それでも、詐欺師の華麗な伝説・・などという言葉がタイトルにある以上、華麗な詐欺師の手口がわんさか出てくる読み物を多いに期待して、タイトルのみで発注をかけたのだが、届いた本は、想像に反してなんともマンガチックな表紙。
パラパラとめくってみると、ところどころにマンガの挿絵まで・・。
あぁこれはひょっとすると最近流行りだというライトノベルというやつなのか。
L なる人物は登場しない。
どの何が「L」というタイトルに紐付くことになったのか、最後まで不明。
まさか、嘘の英語略なんて言わないよね。
もろ、詐欺師という言葉と被るし。
Lは登場しないがバーン・フラットランドという男が登場する。
これが、詐欺師と名乗るにはあまりに厚かましい有り様の男で、単に女ったらしのジゴロ。
それじゃ詐欺師の名が泣きますよー。作者さん。
まぁ、読んでみると、当初の期待が外れた装丁の割りには、まぁなかなか別の面白さがあったりするもので、そこそこ楽しめたりするのですが。
詐欺師がジゴロだったってまぁいいっか。そのジゴロの華麗な手口が語られるのかと思いきや、話はそんな華麗なる話には一切飛んで行かない。
そのジゴロが「罪人竜の息吹」なる石と関わってしまうことでまったく想定外の方向へ走り出すのだ。
「人間の文明の発展は星を滅ぼす毒だ」と信じる竜従という種族(種族なのか?)の女の子のあまりの真っ直ぐさに打たれてか、そのジゴロの性格が変って行く。
内容について詳しく触れるつもりはないが、作者さん、詐欺師の華麗な伝説でもなんでもないじゃない。
それなりに面白いんだから、もっと見合ったタイトルネーミングしてくれたら良かったのに。