驟(はし)り雨
驟(はし)り雨 藤沢周平 著
時代小説は読みにくいイメージがあったのですが、短編なら読めるかなと思って選んだ一冊。
おもしろいと思ったのは「泣かない女」という話。
ざっとあらすじ。
主人公の男、道蔵は足の悪い女房のお才と別れて、ほかの女と一緒になろうと考えていた。
そしてその事をお才に話すと、お才は泣くでもなく、責めるでもなく、あっという間に荷物をまとめて出て行ってしまう。
いなくなってしまってから急に慌てだす道蔵。
そしてお才を追いかけていって・・・。
なるほど、こんな風にしたら男の人は逃げていかないのか、と一瞬思いましたが、
こんなだらしない男の人に、こんなに都合よくやってられるかいなと思い直しました。
でもなぜか魅力的に思えるこの二人。それは時代背景のせいなのでしょうか。
その時代を生きたことは無いのに、頭の中に二人の光景が広がります。
男がいわゆる「男」らしく、女がいわゆる「女」らしかった時代。
携帯電話もなくて、擦れ違ってしまったらもう二度と会えなくなってしまうかもしれなかった時代。
今より多くのことが許せて、やり直せた時代だったのかもしれません。
そんな時代なら私もかわいい女になれたのかな。と思った一冊でした。