暦物語
この本はちょっといただけない。
西尾維新にしてはありえないぐらいにひどすぎる。
西尾維新の本の中でもこれまで何度もチンタラ展開しているなぁ、とか、なかなか進展しないなぁ、この話、とか、極端なものではこの前半部分全部無くてもストーリーとして成り立つよね、みたいなことは往々にしてあったが、そりゃ読んでいる方にすれば、次の展開、次の展開、とうながしたくもなるのだが、じらしてじらして、またそのじらしのどうでもいいところが結構面白かったりして、まぁなんだかんだと言いながらも楽しませてもらっているのでOKなのだろう。
ここ一年を振り返ったから暦物語なのか、阿良々木暦だから暦物語なのか、おそらく両方の意味なのだろうが、あの春からの出来事ならめぼしいところはすべからく本編に書かれているはず。
今さらそのおさらいをしても仕方がないし・・。
だから、ささいな小さな小さな話小さな話を4月5月と月に一つずつ十二ほど。
小さくまとまった話。他の小編小作家なら、まぁまぁの評価をもらうのかもしれないが、こんなつまらない話を西尾維新に期待している人はいないだろう。
本人が積極的に書いているとは思いづらい。
悲鳴伝の続きの悲痛伝、悲惨伝で四国にのめり込んで四国参りをしている作者に、なんとか最終版までのつなぎを!と編集者が無理矢理に書かせたような光景が目に浮かんでくる。
もし、そうだとしたら、編集者も余計なことをしたものだ。
こんなものを世に出すぐらいなら、読者をひたすら待たせておいた方がはるかにいい。