村上龍映画小説集


10年ほど前にこの本は読んでいる。
先日、古本屋をうろうろしていたら、この本が目に入り、他の本と一緒にレジへ持って行ってしまった。
なんせ、整理整頓が悪いので、昔買った本などを探すのが大変なのだ。

村上龍映画小説集というのは映画の解説本でも何でも無い。
初作品の「限りなく透明に近いブルー」と登場人物も同じ。
「限りなく・・」の種あかししながら、若者の持つ無力感を描いている。
この本を読みながら感想として書くイメージはほぼ出来上がっていたのだが、巻末の欄を見たとたん、これはもう行けない。
以前、村上龍の熱烈なファンサイトがあり、その中での掲示板は特別な存在だった。
ボードに書かれている内容も密度が濃く、そこへの書き込みをする時には一種の緊張感を抱いたものだった。
私も投稿した事があるが、投稿する際の緊張感は何か他のサイトでは考えられない雰囲気を持ったボードだった。
そのボードの常連達の感想文が巻末に載っているのだ。
そう言えばあの当時、そのサイト上で龍氏の出版物についての感想文を募集しており、その募集した感想文もUPしてあった。
この本の巻末にはその当時募集していた感想文の中の村上龍映画小説集についてのものが全て掲載されているのだ。
全て、かつて読んだ事のある文章だった。私の友人の文章も載っている。
そう言えば載ったという知らせを聞き、その文庫本も以前に読んでいた事を今更ながら思い出した。
これを読んでしまった以上、感想などを書く気が途端に失せてしまった。
人と感想文を競い合うのは性に合わない。
従って、この文章はこれにて終わり。